実は昔、「GIGAスクールサポーター」という仕事を業務委託で受けていたことがある。
「GIGAスクールサポーター」とは、ITに不慣れな小中学校の教師や子供たちを手助けする仕事のこと。
といっても、仕事内容は子供たちに直接タブレット(iPad)の使い方を教えたり、IT知識に疎い教師たちにアドバイスやサポートをしたりというもので、それほど難しくはなかった。
小中学校の授業でPCやタブレットを使うと言っても、大して複雑な使い方はしないからだ。
せいぜい、お絵描きアプリで絵を描いて伝言ゲームをしたり、学習アプリを使って国語や算数の問題を解いたり、という程度。
俺が「GIGAスクールサポーター」の仕事をやっている間、各地の小中学校を何校も回ったから、教師と接する時間が長かった。
だから気づいてしまったんだ。
教師がクズ化してしまいやすい2つの理由に。
教師がクズ化する2つの理由
子供に引っ張られて幼稚化する
「朱に交われば赤くなる」ということわざの通り、子供たちに囲まれていると教師の精神は低年齢化する。
子供たちはまだまだ成長途中だから、
- 人を自分の好き嫌いのみで判断する
- 論理的思考ができない
- 自分の思いを言語化して伝えられない
━━などなど、子供にはぜんぜん社会性がない。
しかし、ヤバいのは本来は社会性のあるはずの教師でさえも、子供たちに囲まれていると知らず知らずのうちに幼稚化してしまうことだ。
俺自身、教師と直に接していると、常識がないというか「民間企業ではまず通用しないようなことを平気で言ってくるなあ」と感じた。
しかも、周囲も低年齢化した教師ばかりで、外部の人間と接することが少ないから、低年齢化した自分の精神年齢を引き上げてくれる存在もいない。
「教師が民間企業に転職できない」と言われる最大の理由はこれだ。
子供と長期間接する教師は、子供のような大人になってしまう。
ピクミンに命令すると自分が偉くなったと錯覚する
ピクミンを知らない人のために一言で説明すると、
ピクミンは人間で言うなら完全な指示待ち人間で、こちらが指示をしない限り、何もしない。
でもこのピクミンはものすごく素直で、指示さえ出せばなんでもする。
1日中肉体労働をさせることもできるし、敵に食べられるように命令をすれば自ら敵にムシャムシャ食われにいく。
このゲーム、教師と生徒の関係に似ているなあ、と俺は思う。
小中学校の生徒なんて素直なもので、教師の命令に疑問を持たずに従うピクミンのような子がほとんどだ。
(中学校くらいになると教師に従わない本格的なヤンキーが出現しはじめるけど、今回は無視する)
大企業の上司も命令を出せば部下の行動をコントロールすることはできるけど、思想をコントロールすることはかなりむずかしい。
教師が「実は地球は平面なんだよ」と教えれば、疑う術を知らない子供は本気で信じる。
子供の思想を陰謀論に導くこともできそうだ。
自分が命令を出すと、行動も思想も素直に従うピクミンのような子供に囲まれていると、教師はどうなるだろうか?
ふつうは、民間に就職しても公務員に就職しても、最初は上司から一方的に命令を出されるというピクミンの側の立場になる。
でも、新卒で一度も民間企業で働かないまま教師になった人は、大勢の子供に命令を出せるという特殊な立場になるんだ。
俺も小学生の子供たちに、
━━と命令すると、みんなキラキラした目で素直に従ってくれた。
正直、快感だった。
別に自分が偉い人間ではないのに、なんだか偉くなった気分だった。
教師たちはこの感覚を日常的に味わっており、無意識のうちに「自分は命令を出す側の偉い立場」だと思い込んでいる。
そりゃ、小さな独裁者が民間に転職するのはむずかしい。
結果、教師という職にしがみつくしかなくなった教師が多く存在している。
【解決策】教員の社会人採用を増やすべき
教師がクズ化しやすい2つの理由を、かんたんにまとめるとこうなる。
- 学校は教師が一方的に子供たちに命令を出せるという、独裁的な環境。
- そのせいで教師は自分が偉くなったと錯覚するし、子供たちの幼児精神に引っ張られて教師まで幼稚化する。
この問題の解決策は、
新卒でそのまま教員になった人は民間企業を知らず、学校の特殊な環境を当たり前だと思ってしまうから、容易にクズ化してしまう。
でも、民間企業を経験したことのある教員なら、「いやいや、学校の環境は特殊すぎるし、自分が偉くなったわけではない」と自分のクズ化にブレーキをかけることができるのではないだろうか。
ただ、たとえば、ある学校の教員の8割を民間企業経験者の教員にしてしまうのはどうだろう。
8割の教員がお互いに精神年齢が低下することを引き止め、残り2割の民間企業を経験したことのない教員もそれに感化されてクズ化しなくなるかもしれない。
やはり解決策は、
ということだと思う。
申し訳ないけど、学校しか知らない教師は今の時代、本当に必要なんだろうか?
でも教師の仕事は尊敬されるべき
この記事では、すごく教師をバカにするようなことを書いてしまったけど、
だから、教師は聖職だ。
教師の言葉一つで、子供たちの才能の芽を伸ばすことも踏み潰すこともできる。
子供の将来を生かすことも殺すこともできるという意味では、教師は命を救う医者や看護師などと同じく、「エッセンシャルワーカー(生活に必要不可欠な仕事)」であることは間違いない。
なのに、日本の教師は給料も含めて待遇が悪く、社会的な尊敬も大して得られていないことは、みなさんもご存知の通り。
文部科学省は教師のやりがいをアピールしたり、#教師のバトンなんて企画をやる前に、教師の待遇を改善するべきだと思う。
なのに、子供の才能を生かすことも殺すこともできるという重い責任を背負っている教員の給料が安いままでいいわけない。
教師の待遇が改善されれば、能力の高い民間企業経験者も教師になってくれる。
そうなれば、教育の質も上がり、次第に教師は社会からの尊敬を集める職業になっていくはずだ。
教師の待遇を改善し、給料を上げるべし。
これが、俺が「GIGAスクールサポーター」として各地の小中学校を回ってたどり着いた結論。
最後に言っておきたいんだけど、一部にクズな教師がいるからといって教師という職業がバカにされるべきではない。
教師は聖職なんだ。
※本記事のサムネイルのピクミンはこちらのサイトから引用しました。