ゲームのデバッグのバイトに3日間行ってきたので、その体験談を語る。
先に結論を言うとこうなる。
- ゲーム好きの人は逆にしんどい。
- 座りっぱなしなので体力的には楽。
しかし単純作業なので精神的にはきつい。 - エクセルに入力できるくらいのパソコンスキルは必要。
ひたすら単純作業だし、得られるスキルも特にないのでそんなにおすすめはしないというのが本音。
未経験でも応募可能
ゲームのデバッグバイトは未経験でも応募できる。
デバッグとは、「ゲームのバグを見つけて取り除くこと」なんだけど、バグを修正するには高度なプログラミング技術が必要だ。
バイトがやるのは、あくまで「単純作業を繰り返してバグを見つける」だけ。
バグの修正は専門スタッフに任せることになる。
だから未経験のバイトでもできる作業なんだ。
バグの発見にはとにかく人手が必要なので、採用条件はゆるい。
ほぼどんな人でもバイトには受かると思う。
実際、パソコンの使い方をほとんど知らないおっちゃんバイトも現場にいたから。
セキュリティはかなり厳しい
俺が行ったのは、とあるゲーム会社のビルなんだけど、とにかくセキュリティが厳しかった。
自分のスマホを触っていいのは休憩室のみ。
別のフロアに作業フロアがあるんだけど、そこに入る時は、
- スマホ
- 腕時計(スマートウォッチやApple Watchじゃなくてもダメ)
- イヤホンなどその他電子機器類
━━これらは全て一時的に没収される。
作業フロアに持ち込めるのは、「ふたのついた飲み物・スリッパ・財布」だけだった。
俺のしてた腕時計はスマートウォッチでもApple Watchでもないただの安物の腕時計で録音も録画もできないものだから持ち込んでもいいと思ったんだけど、「どんなものであっても腕時計はダメです」と言われたので外すしかなかった。
発売前のゲームを扱ってるんだから当たり前だけど、情報漏洩をかなり恐れているようだった。
1枚くらい現場の写真を撮りたかったんだけど、さすがにムリだった。
なのでこの記事の写真は全てフリー画像です。
仕事内容は単純作業ばかり
仕事内容は単純作業の一言に尽きる。
俺の入ったデバッグバイトでは、スマホゲームの『聖剣伝説』のデバッグ作業を任された。
俺たちバイトは、バイトではない人(たぶん社員?)の隣のデスクに座るように指示される。
そこで隣の社員に教えてもらいながらデバッグ作業を始めることになる。
基本、その日限りのバイトの扱いなんてそんなものだから、期待はしすぎない方がいい。
具体的な仕事の内容としてはこんな感じだった。
- スマホゲーム『聖剣伝説』の1〜3章を、各種iPhoneでプレイ。
- 誤字脱字や映像バグ、音声バグなどがあれば、パソコンのExcelにその旨を記入する。
バグがなければExcelに「○」と記入する。 - ➡︎これを1日中繰り返し。
iPhoneにも色々種類があって、iPhone8・iPhoneXR・iPhone11・iPhone12・iPhone13・iPhoneSEのように違う機種もぜんぶ試さないといけない。
しかも、『聖剣伝説』には日本語版だけでなく、アメリカ版・フランス版・ドイツ版・イギリス版など色々あるからそれもぜんぶ試さないといけない。
俺は1日で『聖剣伝説』の1〜3章を24回プレイした。
『聖剣伝説』の1〜3章をプレイするのに最短でも約20分ほどかかる。
つまり、「20分×24回=480分(8時間)」になる。
休憩は1時間あったから、8時間の実動時間はすべて『聖剣伝説』の1〜3章をプレイすることだけに捧げた。
最初の2〜3回くらいはゲームをプレイするのも楽しいけど、同じ1〜3章だけをループで繰り返してプレイするだけだし、飽きない方がおかしい。
トータルで3日間このバイトに入ったけど、どの日も似たような作業だった。
ゲーム好きには逆につらい
たぶんゲーム好きにはこの仕事は逆につらいだろう。
ゲームに愛があればきっと3章より先の物語が気になるだろうけど、指示された範囲以外はプレイできないからだ。
デバッグに向いてるのはこういう人で、ゲームへの愛があっても作業がつらくなるだけだ。
最低限のパソコンスキルは必要
バグがないかどうかを記入するのにExcelを使用するから、最低限のパソコンスキルはないと厳しい。
具体的には、
- 文字をキーボードで入力できる。
これだけでぶっちゃけ十分。
現場によっては急がされることもあるかもしれないけど、ブラインドタッチもできなくていい。
俺と一緒に入ったおっちゃんはパソコンのキーボードを叩くこともできない感じだったので、さすがに社員も扱いに困ってるようだった。
とはいえ、文字さえキーボードで入力できれば十分だから、極端にパソコン音痴でない限り誰でもできると思う。
肉体的には楽。精神的にはきつい
8時間ずっと座りっぱなしの仕事だから肉体的には楽だけど、単純作業の繰り返しだから精神的にはきつい。
スマホの小さい画面を見続けるから、目も疲れる。
ただし力仕事ではないので、女性でも全く問題なくできる仕事だ。
実際、俺の見た感じ、バイトの4割くらいは女性だった。
コミュ力もそんなにいらない
俺の場合は、最初に社員から仕事のやり方を教えてもらった後は、ひたすら単純作業の繰り返しだったので、ほとんどしゃべることがなかった。
ほぼずっと黙った状態で8時間、延々とゲームをやり続けた。
人に向き合うよりゲームに向き合ってる時間の方がはるかに長いので、コミュ力に不安のある人でも大丈夫だと思う。
まあバイトには関係ないので、気にしなくていい。
時給は1,100円
時給は1,100円で、8時間労働だったから、8,800円の収入。
ただし交通費の支給がなかったから、俺の場合そこから電車賃を引いて、
時給もそれほどいいとは言えないし、精神的にきつい&得られるスキルもほぼないことを考えると、それほどおすすめはしない。
ゲーム業界の問題点
ここは俺の意見なので読み飛ばしてOK。
俺と一緒に入ったパソコンわからないおじちゃんはどうも老眼だったらしく、ゲーム内の文字が読めないようだった。
果たして老眼のおっちゃんがチェックしたゲームにバグがないと保証できるだろうか?
その日限りのバイトに仕事への責任感なんてあるはずないから、
でもバグがあったら報告するのめんどくさいし、Excelに「○」って記入しとこ。
━━こんなことはたぶん、しょっちゅう起こってると思う。
責任感がない&老眼のバイトによる甘いチェックをすり抜けたバグが含まれたゲームを、俺たちユーザーが買うことになるんだ。
ゲーム会社としてはデバッグ作業をバイトに任せることで人件費を安く抑えたいんだろうけど、その結果、致命的なバグが見つかったせいでゲームの評判が落ちれば、それ以上の損失になるのではないだろうか。
まあ、多少のバグが見つかってもご愛嬌みたいな雰囲気もあるし、「ゲームが進行不可能になるほどの致命的なバグでなければ、チェックをすり抜けてもいい」とゲーム会社は考えているのかもしれない。
【まとめ】得られるスキルはゼロ。でも肉体的には楽
では、ゲームのデバッグバイトの体験をまとめよう。
- ゲーム好きの人は逆にしんどい。
- 座りっぱなしなので体力的には楽。
しかし単純作業なので精神的にはきつい。 - エクセルに入力できるくらいのパソコンスキルは必要。
これが結論。
得られるスキルは特にないので、この仕事をずっとやっててもスキルアップは難しい。
ただ、「ゲーム会社の雰囲気を体験してみたい」という人であれば、試しにバイトに行ってみるのはありだ。
パソコンで文字入力できるくらいのスキルさえあれば、私服でいいしコミュ力もほぼいらない、しかも座りっぱなしでいいから、肉体的には楽だ。
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